特集 循環機能の正常値
体液構成
吉利 和
1
,
前田 貞亮
1
1東京大学医学部吉利内科
pp.966-967
発行日 1966年11月15日
Published Date 1966/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201686
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水分の測定は重水とNAAPまたはAP(アンチピリン)とでは異なり,後者がやや低く出るので,篠原は重水を用いているが,Edelmanのは重水もAPもほとんど同じか,わずかに低い値で大差はない。総水分量で本邦人と欧米人との差が著しいのは脂肪量の差によると考える。Behnke9)のlean body mass(脂肪除外体重)ではその約73%が水分であり,約20%が灰分である。これは種々の報告でもほとんど一定している。
日本人の血漿電解質濃度は吉利4)の値もNa(144.78±6.20),K(4.11±0.38),Cl(105.5±7.59)とWeis—bergの集計よりも高い。Mgの値は1962年以前のものは,原子吸光装置によるものではないのでアメリカではあまり用いられなくなっているが,わが国ではまだ本法が普及していないので,なおこの値を示しておく。原子吸光によるものでは山川ら9)の値も1.70±0.38mEq/lで著者のとほとんど同じである。なお,体液区劃は方法による差は古利の綜説10)を参照されたい。
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