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語源と土俗に見られた「エナ」物語(1)
古葉 彌子
pp.65-68
発行日 1953年1月1日
Published Date 1953/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200265
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有史以前から知られて居ながら,今もつてエタイのハツキリわからないのが胎盤であろう。学名ブラセンタは,ギリシヤ語の扁平なるものという意味で,専らホツトケーキのような,扁平なお菓子という意味に使われていた言葉であつたが,その形の類似していたのでそう名ずけられたものであろう。
わが国では,昔から之れを「エ」または「エナ」と称し,胞又は胞衣という字をもつて示してしたことは,日本書紀に「伊弉諾尊伊豈冊尊立於天浮橋之上,共計日底下盧無國歟,廼次名之日碫馭盧島,二神於是降居彼島……於是陰陽始廼合為夫婦乃至産時,先次談路淵為胞,廼生大日本豊秋津淵……」とあるのでもわかる。
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