講座
新生児榮養法と哺乳量に就て
松本 淸一
1
1愛育研究所母性保健部
pp.9-13
発行日 1952年8月1日
Published Date 1952/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200155
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新生兒の哺乳量に関しては我国でも既に幾つかの研究が発表されており,最近では慶大の衛藤氏が昭和10年から19年までの間に生れた5,129名の新生兒に就て,生後各日の哺乳量(兒がその日に攝取した栄養物の総量)と授乳量(兒の飮んだ母乳の量)を調査し,哺乳量は男女兒間には差なく,生下時体重の大きな方が多いことや,授乳量は経産婦の方が初産婦より多く,20才台の母親では30才台の者よりも多いこと,或いは母乳分泌の良好な者の兒は発育がよいことなど主統計学的に認めました。又慶大の村山氏は更に昭和20年から23年までに生れた581名の新生兒に就て調査し,戰後は戰前及び戰時に比して哺乳量も授乳量も減少していると報じ,又熊本医大の橋本氏は昭和18年から20年までに生れた新生兒を,昭和3年から10年までに生れたものと比較して,哺乳量が戰時には戰前に比べて却つて増しているが,戰爭が苛烈化し終末に近づくに従つて再び減少する傾向が見られたと報告しています。
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