Ⅱ臨牀實驗
榮養失調症の眼症状に就て
盛 直之
1
1京大眼科
pp.246-248
発行日 1948年12月20日
Published Date 1948/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200290
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緒論
第一次世界大戰に際し,獨墺側に食糧不足の爲に戰争浮腫,飢餓浮腫等と呼ばれた疾患が多發したが,今次大戰で我國でも食糧補給の困難な戰鬪部隊に高度榮養障碍が起り,陸軍では戰爭榮養失調症と名付け,戰争末期には内地の部隊及國民の間にも同樣の症状を呈する者が現はれ海軍では不馴化性全身衰弱症と命名し,一般醫家は之を榮養失調症と呼稱した。本症の研究は食糧榮養問題と關連する社會的重要問題なるのみならず,其の症候の發生機轉乃至治療豫防等も亦緊要の課題である。然るに本症に關する眼科的檢索の報告は未だ之に接せず。著者は幸にして昭和21年6月より22年3月迄京大内科第一講座の本症入院患者11例に就き眼科的檢索をなすを得たり。茲にその結果を報告す。
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