Japanese
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実践講座 パーキンソン病治療の新しい展開・1【新連載】
臨床診断
Clinical diagnosis of Parkinson's disease
野川 茂
1
Shigeru Nogawa
1
1東海大学医学部付属八王子病院脳神経内科
1Department of Neurology, Tokai University Hachioji Hospital
キーワード:
PD pandemic
,
診断基準
,
腸脳連関
,
body-first
,
非運動症状
Keyword:
PD pandemic
,
診断基準
,
腸脳連関
,
body-first
,
非運動症状
pp.1083-1091
発行日 2024年10月10日
Published Date 2024/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203241
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はじめに
1817年,ロンドンの開業医であったJames Parkinsonは振戦と筋強剛を呈する6症例をまとめ,“the shaking palsy”として初めて報告したが,その後,フランスの神経学者Charcotが「パーキンソン病(Parkinson's Disease:PD)」と命名した.PDは運動障害として,安静時振戦,無動・寡動,筋強剛の三徴を呈するが,進行期では姿勢反射障害,歩行障害がみられる.また,中脳黒質のドパミン産生神経細胞の減少とαシヌクレインを主体とするレビー小体の蓄積を病理学的特徴とする.しかし,最近では精神症状,自律神経症状,感覚症状,睡眠症状などの非運動症状が運動症状発症以前からみられ,末梢の自律神経節,脳幹部,嗅球,辺縁系,大脳皮質などを含めた広範な神経障害を有することが明らかにされた.本稿では,PDの臨床診断における最近の進歩について概説してみたい.
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