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実践講座 パラスポーツの魅力を伝えるには?・3
パラアスリートを取り巻く環境から
Current status and issues concerning the scouting and training of para-sports athletes
荒川 英樹
1
Hideki Arakawa
1
1宮崎大学医学部附属病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, University of Miyazaki Hospital
キーワード:
パラスポーツ
,
パラアスリート
,
パラリンピック
Keyword:
パラスポーツ
,
パラアスリート
,
パラリンピック
pp.511-515
発行日 2024年5月10日
Published Date 2024/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203113
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わが国のパラスポーツの実績と今後の展望
パラリンピックにおける,近年のわが国のメダル獲得数に着目してみよう(表1).2004年のアテネ大会をピークに減少傾向にあった獲得メダル数は,ロンドン大会の16個を最少として,リオデジャネイロ大会では金メダルの獲得はならなかったものの,24個のメダルを獲得し復調の兆しがみられた.そして,コロナ禍で1年の延期を経て開催された東京2020大会では,金メダル13個を含む51個のメダルを獲得し,国別メダル獲得数では第11位と健闘した(表2).このように大きな感動と素晴らしい成果を得られた一方で,メダル獲得数と参加選手数から算出したメダル獲得率(メダル獲得数/参加選手数)を見てみると,わが国は0.2である(図1).上位国が0.3以上の割合を示すことを考えると残念ながらやや低く,多くのアスリートが参加しながらメダルになかなか手の届かない現状がうかがえる.しかし,東京2020大会までの獲得率の推移を遡ってみると,リオデジャネイロ大会0.18,ロンドン大会0.12であり,徐々に向上していることがわかる.また,過去の大会と比べて若手,特に20歳台の選手が増加しており,初出場の選手が約6割を占めるなど,この東京2020大会がわが国におけるパラスポーツ発展のための,重要なターニングポイントとなったことは疑いようがない.
しかし,現在でもパラスポーツの振興,普及促進はなかなか進んではおらず,解決すべき課題は多い.本稿では,パラアスリート支援を含めたパラスポーツ振興の現状と課題を考えてみたい.
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