公募連載 勉強会どうしてますか?・4
メタバースでの医療教育の可能性と課題—仮想現実がもたらす学びの変革
中山 直樹
1
,
虎 一真
2
,
駒橋 徹
2
,
山内 智美
2
,
古賀 久美子
3
,
岩橋 佑典
4
Naoki Nakayama
1
,
Kazuma Tora
2
,
Tohru Komahashi
2
,
Tomomi Yamauchi
2
,
Kumiko Koga
3
,
Yusuke Iwahashi
4
1四国医療専門学校
2任意団体メタバース医療協創ラボ
3恩納村オリーブ保育園さんご
4中山クリニックデイサービスセンタースマイル・マナ
1Shikoku Medical College
2Metaverse Medical Cooperative Creation Lab
3Onnasan Olive Nursery School Sango
4Nakayama Clinic Day Service Center Mana
pp.425-428
発行日 2024年4月10日
Published Date 2024/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203096
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はじめに
本稿では「勉強会」という形式での医療教育に焦点を当て,メタバースを用いた医療教育を行っている「任意団体メタバース医療協創ラボ」の取り組みや,施設や職域などさまざまな制約を超えて勉強会を行える知見を共有し,その可能性と課題について考察する.
メタバースとは,仮想現実(virtual reality:VR)や拡張現実(augmented reality:AR)などの技術を用いて,リアルな世界とは別の仮想空間を構築し,そこでさまざまな活動や体験ができるようにするものである.メタバースは,エンターテインメントやゲームだけでなく,教育やビジネスなどの分野でも活用されている.コロナ禍でのオンライン授業などインターネット利用の増加により,若い世代を中心として3DCG空間内でのコミュニケーションも盛んに行われるようになった.
特に医療教育においては,メタバースの利用が期待されている.メタバースを用いた医療教育では,地理的な制約や感染リスクなどを気にせずに,リアルな医療教育現場に近い環境を再現することができる.多くの人々とコミュニケーションや協働の経験から,医療の質の向上に寄与すると考えられる.
しかし,メタバースを用いた医療教育には課題や問題点も存在する.例えば技術的な障壁やコスト面,倫理的な問題や法的課題なども挙げられる.これらの課題や問題点に対処することが,メタバースを用いた医療教育の普及および発展にとって重要である.
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