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特集 人工関節置換術後の長期成績を改善させるリハビリテーションと治療戦略
人工関節とその長期成績—総論
Long-term outcomes of total joint arthroplasty
津田 英一
1
Eiichi Tsuda
1
1弘前大学大学院医学研究科リハビリテーション医学講座
1Department of Rehabilitation Medicine, Hirosaki University Graduate School of Medicine
キーワード:
人工関節置換術
,
長期成績
,
リハビリテーション治療
Keyword:
人工関節置換術
,
長期成績
,
リハビリテーション治療
pp.335-339
発行日 2024年4月10日
Published Date 2024/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203085
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人工関節置換術は進行期の関節症に対する最も一般的な手術治療の1つであり,高齢化が進む本邦では手術件数が年々増加傾向にある.特に荷重関節である膝関節,股関節では,除痛効果が高く移動能力の改善も期待できるため需要が高い.厚生労働省が公表しているNational Database(NDB)オープンデータによると,2021年4月1日〜2022年3月31日の1年間に本邦で実施された全人工膝関節置換術(total knee arthroplasty:TKA)は初回置換術92,915件,再置換術1,391件,全人工股関節置換術(total hipnee arthroplasty:THA)は初回置換術70,456件,再置換術1,934件である1).また同期間に日本整形外科学会症例レジストリー(Japanese Orthopaedic Association National Registry:JOANR)の日本人工関節登録制度(Japan Arthroplasty Register:JAR)に登録されたTKAは初回手術72,596件,再手術2,106件,THAは初回手術68,775件,再手術3,258件であった2,3).これほど多くの手術が行われている背景には,第一に良好な術後長期成績が多数の研究により報告されていることがある.本稿では2019年にEvansら4,5)によってLancetに報告されたTKAおよびTHAに関する各システマティックレビュー・メタアナリシスに沿って,1990〜2000年代における長期成績について解説する.
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