コーヒーブレイク
旅
I N
pp.361
発行日 1989年4月1日
Published Date 1989/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204918
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はるか昔、検査技師学校の入試のときの作文の題名がなぜか「旅」だった。そのとき、芭蕉の「奥の細道」の旅を引用し、人生そのものが旅であると書いた。内容は幼く、今思えば恥ずかしい限りであるが、十八歳で人生などわかるはずもなく、また受験生という立場ではその程度のイメージしかわかなかったとしてもしかたがないだろう。
そのせいかどうか、入学してからそれから就職してからも、よくひとりで旅をした。若いころは、時間はあってもお金がないので、いつも各駅停車の鈍行列車とユースホステルか民宿の貧乏旅行だった。けれど、いつも楽しく、満たされた思いでいた。
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