排便に関する基礎知識と排便障害に対する多職種での取り組み

The essentials of understanding about bowel movement and comprehensive approach through inter-professional work for defecation problem

　排便に関しては「毎朝出るのがいい」や「食べたものが便になる」といった漠然としたイメージで捉えられるのが現状であろう．基本的には便は自然に出るものと言えるが，いざ思いどおりにいかなくなると，原因の特定や対処法の選択に戸惑うことは少なくない．なぜなら排便について客観的に評価すること，リアルタイムに状況を把握することが困難だからである．つまりわれわれは，排便についてわかっているようでわかっていないのである．そこで本稿では，まず排便の成り立ちについての理解を促進しつつ，次いで，多職種によってどのようにアプローチするべきかについて解説する．