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要旨 [はじめに]回復期リハビリテーションのアウトカムとしては,健康関連quality of life(health related QOL:HRQOL)評価が重要であるが,国内ではHRQOL尺度の測定特性は明らかになっておらず,尺度を使用する際には臨床的に意義のある最小変化量(minimal clinically important difference:MCID)を明らかにする必要がある.[対象と方法]回復期リハビリテーション病棟入院中の脳卒中患者を対象とし,初期評価時と1か月後の再評価時に認知機能評価(Mini Mental State Examination),機能障害度(modified Rankin Scale),日常生活動作〔activities of daily living(Functional Independence Measure)〕,HRQOL尺度であるEuroQol 5 dimensions-5 level[EQ-5D-5L〔EQ-index,EQ-Visual Analogue Scale(VAS)〕]を用いて評価した.MCIDの分析にはdistribution-based methods(DB法)とanchor-based methods(AB法)を用いた.[結果]分析対象は94名であり,すべての尺度の項目で有意に向上した.MCIDについては,DB法ではEQ-indexが0.11,EQ-VASが10.91,AB法ではEQ-indexが0.11,EQ-VASが11.46であり,EQ-VASではAB法のほうが高値を示した.[結語]EQ-5D-5Lによってリハビリテーション効果を示せることが証明されたが,その際には,統計学的な有意差だけではなく,MCIDを考慮した検討が必要であることが示唆された.
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