Close-up MCID
MCIDとは何か
宇田 和晃
1
Kazuaki UDA
1
1筑波大学医学医療系ヘルスサービスリサーチ分野
キーワード:
minimum clinically important difference
,
MCID
,
アンカーに基づく方法
,
receiver operating characteristic curve法
,
ROC curve法
,
minimum detectable change
Keyword:
minimum clinically important difference
,
MCID
,
アンカーに基づく方法
,
receiver operating characteristic curve法
,
ROC curve法
,
minimum detectable change
pp.1328-1333
発行日 2022年11月15日
Published Date 2022/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202855
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はじめに
目の前の対象者のある評価(アウトカム)の測定値がほかの対象者と比較して差があった場合や時間経過で変化があった場合,これらの差や変化が対象者にとってどのような意味があるのか(効果があったのかなかったのか,正常なのか異常なのかなど)思いを巡らせることは,リハビリテーション専門職にとって日常的なことである.このとき,各アウトカムの差や変化について,多くの対象者に適用することが可能な基準値があれば,観測された差や変化を解釈するのに利用できるかもしれない.この基準値の一つとして提案されているのが,本稿で解説するminimum clinically important difference(MCID)である.
本稿では,まずMCIDの概念をその有用性の観点から概説し,次にMCIDの推定方法の考え方と代表的な方法を解説する.
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