Close-up MCID
脳血管障害と機能評価指標におけるMCID
熊谷 謙一
1
Ken-ichi KUMAGAE
1
1製鉄記念八幡病院リハビリテーション部
キーワード:
機能評価
,
脳血管障害
,
MCID
Keyword:
機能評価
,
脳血管障害
,
MCID
pp.1334-1337
発行日 2022年11月15日
Published Date 2022/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202856
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序論
MCID(minimal clinically important difference)は,治療効果を判断する基準の一つであり,臨床試験において,臨床的重要性を反映する患者立脚型評価の改善の程度のベンチマークとして使用されている1).過去数十年で医療研究の重点は統計学的有意性から臨床関連性へと変遷しており2),このためにMCIDが重視されるようになった.
一方,MCIDは比較的新しい概念であることや,類似用語や算出方法に多様性があることなどにより解釈が困難になっている.上記のように,MCIDは本来臨床試験の効果判断基準であるが,このわかりにくさのためにMCIDの数値のみが強調され,臨床場面での治療目標と捉えられやすい印象を筆者は受けている.
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