Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「仁義なき戦い」「博奕打ち 総長賭博」「県警対組織暴力」「緋牡丹博徒 お竜参上」—芸術文化体験としてのヤクザ映画だった
二通 諭
1,2
1札幌学院大学
2札幌大谷大学
pp.107
発行日 2023年1月10日
Published Date 2023/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202734
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札幌で,「映画特選:東映アウトロー」(チラシ参照)と銘打った往年の4作品の上映会が催されたが,主催者曰く,「反社」を理由に市の後援を得ることができなかったとのこと.そこには,芸術文化的な価値についての考慮はない.となれば,4作品にリアルタイムで接してきた世代の一人として,一筆書き付けておかねばならない.
「広島弁のシェイクスピア」,「下品な言葉遣いを芸術にまで持ち上げた」と評された笠原和夫脚本の「仁義なき戦い」(監督/深作欣二:1973)は,1位から4位まで1950年代の「東京物語」,「七人の侍」,「浮雲」,「幕末太陽傳」が並ぶ『キネマ旬報』の「オールタイム・ベスト映画遺産200日本映画篇」(2009)で5位.6位,7位も50年代の「二十四の瞳」,「羅生門」なのだから,1960年代以降のぶっちぎりのベストワンということになる.
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