連載 精神保健福祉に関する支援とサービスの活用・第3回
障害年金受給のプロセスと書面診査ゆえの留意点—「精神の障害」に焦点化して
青木 聖久
1
Kiyohisa Aoki
1
1日本福祉大学福祉経営学部医療・福祉マネジメント学科
1Faculty of Healthcare Management, Department of Social Healthcare and Business Management, Nihon Fukushi University
キーワード:
障害認定基準
,
日常生活能力
,
有期認定
,
常態化
,
新たな働き方
Keyword:
障害認定基準
,
日常生活能力
,
有期認定
,
常態化
,
新たな働き方
pp.1139-1142
発行日 2022年9月10日
Published Date 2022/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202621
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概要
障害年金は,障害がある人に対する所得保障の中核を担う制度であり,基本的に,障害基礎年金(国民年金),障害厚生年金(厚生年金保険)から構成される.障害等級は,障害基礎年金が1・2級,障害厚生年金が1・2・3級となっており,1級から順に重度・中度・軽度とみなされている.支給額は2022年度価額で,障害基礎年金2級が年額777,800円で,障害基礎年金1級は2級の1.25倍の972,250円である.また,障害厚生年金は,障害基礎年金分に併せて,在職中の報酬比例分(被保険者期間と報酬額によって算出)が支給されることになる.ただし,障害厚生年金3級は,基礎年金がなく,報酬比例分の単独支給になるものの,583,400円が最低保障される.
その際,意外と知られていないのが,障害厚生年金における「300月のみなし計算」である.例えば,精神障害がある人は,20歳前後で発症および初診が多いため,厚生年金保険の被保険者期間が12月(1年間)ということがある.その場合,報酬比例分は,25倍の300月(25年間)として計算されることになる.加えて,障害厚生年金1・2級には,生計を維持されている65歳未満の配偶者がいる場合,223,800円の配偶者加給が支給される.一方で,障害基礎年金1・2級には,生計を維持されている子がいる場合,2人目まで,1人につき223,800円,3人目以降,1人につき74,600円の子の加算額が支給される.
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