Japanese
English
増大特集 加齢とリハビリテーション
第3部 加齢によって生じた課題への対応
9.手術と麻酔
Surgery and anesthesia
谷奥 匡
1
,
川股 知之
1
Tadashi Tanioku
1
,
Tomoyuki Kawamata
1
1和歌山県立医科大学麻酔科学講座
1Deartment of Anesthesiology, Wakayama Medical University
キーワード:
プレハビリテーション
,
ERAS
,
術後回復力強化
,
フレイル
Keyword:
プレハビリテーション
,
ERAS
,
術後回復力強化
,
フレイル
pp.733-741
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202541
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はじめに
日本では高齢化が急速に進み,総人口に占める65歳以上の割合は2019年時点では28.4%であり,さらに2065年には38.4%に達すると予測されている.特に75歳以上の高齢者の割合が14.7%(2019年)から25.5%(2065年)と顕著に増加すると予想されている.また,率とともに平均寿命も上昇し,男性は80歳を超え,女性は90歳に迫ろうとしている1).本邦は世界中のどの国も経験したことのない超高齢社会を突き進んでいる.
手術医療に目を向けると,低侵襲手術の開発・発展,麻酔管理技術およびリハビリテーションを含めた周術期管理技術が進歩し,以前は手術を躊躇された高リスクの患者にも手術適応は拡大している.これらの要因により,今後ますます高齢患者を対象とした手術医療が増加すると推測される.
本稿では,高齢者の周術期管理の発展と現状について,麻酔科医と外科医が取り組んできた低侵襲手術と麻酔管理・術後痛管理の発展を述べるとともに,最近注目されているプレハビリテーションに焦点を当て概説する.
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