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はじめに
支援機器の分類と用語を定めている国際規格がISO 99991)である.この規格では,支援機器の体系的な分類を示すとともに,支援機器を表す用語や定義,各種支援機器の範囲や用語を規定している.車椅子や義肢装具といった特定の支援機器の規格ではなく,支援機器全体を対象とした規格であり,支援機器を語るには欠かせない規格となっている.特に支援機器のデータベースを構築する際の分類においては重要な役割を果たしている.国内でも,公益財団法人テクノエイド協会が運営している支援機器のデータベースでは,1992年版のISO 9999に基づいた分類を活用している.
ISO 9999は,国際標準化機構(International Organization for Standardization:ISO)の支援機器専門委員会(Technical Committee:TC)173の下にある支援機器の分類と用語分科委員会(Sub Committee:SC)2において,定常的に改訂の議論が行われている.現在,この分科委員会の幹事国は日本であり,公益財団法人テクノエイド協会が幹事団体を担当している.
また,ISO 9999は世界保健機関(World Health Organization:WHO)が示している国際分類ファミリーの関連分類にも位置づけられており,特に国際生活機能分類(International Classification of Functioning,Disability and Health:ICF)との関係が深く,用語や分類構造において,整合性をとるための作業も進められている.
本稿では,このISO 9999について概説するとともに,最近の動向を示すこととする.
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