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実践講座 医療機関における治療と仕事の両立支援・7
両立支援の実際—慢性肝炎
Actual practice on balance support of medical treatment and working life for chronic hepatitis
江口 ゆういちろう
1
Yuichiro Eguchi
1
1医療法人ロコメディカルロコメディカル総合研究所
1Locomedical General Institute
キーワード:
肝炎医療コーディネーター
,
慢性肝炎
,
肝炎対策基本法
Keyword:
肝炎医療コーディネーター
,
慢性肝炎
,
肝炎対策基本法
pp.169-176
発行日 2022年2月10日
Published Date 2022/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202427
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肝疾患のなかでも,肝癌や肝硬変の成因としては,B型肝炎やC型肝炎などのウイルス性肝疾患による慢性肝炎の進展が最多であり,日本国内では,両疾患を合わせて約200〜300万人が罹患していると推定されている.そして最近では肥満や飲酒を成因とする脂肪性の肝疾患〔飲酒を伴わない非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)や,アルコール性肝疾患〕に関しても,正確には判明していないものの,軽度から肝硬変まで加えると1000万人以上の罹患者数が想定されている.
肝臓は「沈黙の臓器」の代表であるものの,慢性肝疾患の早期発見,早期治療の重要性,必要性が一般には伝わっていない.両立支援の視点で本疾患を考えた場合,患者が何ら自覚症状もなく普段どおりに仕事に就いていながら,臨床現場では,初診の時点で進行した非代償性肝硬変や肝細胞癌(肝癌)である事例に遭遇することがある.
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