特集 肝と免疫2019
2.自己免疫性肝炎(1)自己免疫性肝炎の疫学と診断
田中 篤
1
1帝京大学医学部内科学講座
キーワード:
慢性肝炎
,
急性肝炎
,
抗核抗体
Keyword:
慢性肝炎
,
急性肝炎
,
抗核抗体
pp.481-486
発行日 2019年4月20日
Published Date 2019/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000734
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自己免疫性肝炎(AIH)は自己免疫機序によって肝細胞が破壊される疾患である.疫学調査ではわが国の患者総数は2016 年現在推定30,325 例,有病率は人口100,000 人当り23.9 であり,2004 年の前回調査の約3 倍に増加している.多くの症例では自覚症状を欠き,AST・ALT 上昇,抗核抗体陽性,IgG 上昇,interface hepatitis や形質細胞浸潤など特徴的な肝組織などの組み合わせによってAIH と診断され,わが国の診断基準も作成されている.しかしおよそ10%の症例は急性肝炎様に発症し,しばしば抗核抗体陰性ないしIgG 正常などAIH としての特徴を欠き診断が困難な場合があることに注意が必要である.このような症例では肝生検が診断のカギとなる.
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