集中講座 評価法の使い方 シリーズ2 各論(疾患別篇)⑫・第24回
がん
伏屋 洋志
1
,
辻 哲也
2
Hiroshi Fuseya
1
,
Tetsuya Tuji
2
1静岡県立静岡がんセンターリハビリテーション科
2慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
キーワード:
がんのリハビリテーション
,
評価法
,
QOL
,
高齢者機能評価
Keyword:
がんのリハビリテーション
,
評価法
,
QOL
,
高齢者機能評価
pp.1201-1205
発行日 2021年12月10日
Published Date 2021/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202386
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本邦でのがんの罹患者数は人口の高齢化を主な要因として増加し続けており,生涯でがんに罹患する確率は,男性65.5%(2人に1人),女性50.2%(2人に1人)となる1).加えてがん患者の5年相対生存率は男性62.0%,女性66.9%であり1),これも上昇傾向にある.多くのがん患者が長期生存可能となった現代において患者は「がんとともに生きる」こととなるが,がんに伴う多様な機能障害により日常生活動作(activities of daily living;ADL)は制限され,生活の質(quality of life;QOL)の低下を来すことが今後の医療にとって重大な課題となる.これらの問題に対して,症状の緩和や二次的障害を予防し,機能や生活能力の維持・改善を目的としてリハビリテーション治療を行うことが重要となる.
「がんのリハビリテーション」は,根本的には「がん」そのものと治療戦略を熟知し,その合併症,併存疾患も含めて機能予後および生命予後についても検討したうえで実施されるが,これらの評価の大部分は多様化きわまるがん種に特異的なガイドラインに精通した各専門科にも依ることとして,リハビリテーション科は各専門科と協同し,診療情報を共有する.
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