集中講座 評価法の使い方 シリーズ2 各論(疾患別篇)⑪・第23回
精神疾患
倉科 志穂
1
,
先崎 章
2,3
Shiho Kurashina
1
,
Akira Senzaki
2,3
1埼玉県総合リハビリテーションセンター臨床心理科
2東京福祉大学社会福祉学部
3埼玉県総合リハビリテーションセンター神経科
キーワード:
GAF
,
BPRS
,
REHAB
,
LASMI
,
GATB
Keyword:
GAF
,
BPRS
,
REHAB
,
LASMI
,
GATB
pp.1105-1110
発行日 2021年11月10日
Published Date 2021/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202365
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日本リハビリテーション医学会では,リハビリテーション医学は「活動を育む医学」であり,「その賦活化を図る過程をリハビリテーション医学の中心とする」としている1).そのため,リハビリテーション医療では,活動や参加の実態も把握しておかなくてはならない.心身機能・構造,活動,参加という視点で対象者を理解し評価していくものに国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health;ICF)がある.ICFでは,対象者の全体像を把握しやすい2).多職種での協働作業における共通目標として,チームアプローチや社会参加の促進効果が期待できるといった利点がある.しかし,ICF原本では評価尺度が定まっておらず,医療現場では扱いづらい.医療現場では,国際障害分類(International Classification of Impairments, Disabilities and Handicaps;ICIDH)の考え方に則った評価を行うほうが各スタッフも患者の問題点を把握しやすいという指摘がある3).
以下,ICIDHの機能障害,能力障害,社会的不利の考え方に基づき,精神疾患をもつものの評価を<精神症状><社会生活><職業能力>と大きく3つに分けて解説する.<精神症状>の評価は機能障害を中心とするもの,<社会生活>と<職業能力>の評価は能力障害を中心とするものといえる.
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