書評
森田秋子,後藤伸介 編「理学療法士が知っておきたい 認知能力のアセスメントとアプローチ—高次脳機能障害を行動から分析する」
宮田 昌司
1
1一般社団法人日本訪問リハビリテーション協会
pp.980
発行日 2021年10月10日
Published Date 2021/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202334
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賢明な理学療法士(以下,PT)の方々は,運動機能のみの対処だけで済むわけではなく,認知機能や精神状態がすべてのヒトの活動に関係し,自ずとアプローチに影響することは実感しているだろう.しかし,世間からPTは認知機能の把握が弱いと指摘されることがあったり,PT自身も取り扱う領域ではないとして,不勉強を棚あげしてしまう人も少なくないようである.そのようななかで,本書は,この領域に少し不安を抱いている若手や,チームワークが求められているのに知らんぷりしているベテラン諸兄に,あえて他職種からそっと手渡しでお勧めしてほしい,そんな一冊である.
編集は森田秋子氏と後藤伸介氏.控えめに紹介しているが,所属法人の要職に就かれているのはもちろんのこと,永らく回復期リハビリテーション病棟協会などで活躍され業界をリードしてきた重鎮である.きっと,両氏はチームアプローチの先行きとPTの行く末を,心配してくださったに違いない.
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