書評
宮越浩一 編「《標準理学療法学・作業療法学・言語聴覚障害学 別巻》画像評価」
小林 毅
1
1日本医療科学大学作業療法学
pp.513
発行日 2021年5月10日
Published Date 2021/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202230
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令和2年度(2020年度)の入学生から,改正された「理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則」(以下,「指定規則」)が適用となった.今回の改正では,臨床実習指導者の要件が改正されたことが大きな話題となっているが,カリキュラムの主な見直しとして,「安全かつ効果的な理学療法,作業療法を提供するために,画像評価を必修化」などが指摘されている1).このように,安全かつ効果的に,対象者に理学療法・作業療法を提供することが求められている.
さて,本書は,序文に記されているように「リハビリテーション治療を効果的かつ効率的に,しかも安全に進めるため」に重要な役割を持つ画像評価について解説している.特に目を引くのは,冒頭に「正常解剖」の画像を掲載し,後に解説されている各疾患・外傷などの画像と比較することで理解が深まる構成となっていることである.また,「中枢神経系疾患」「運動器系疾患」「呼吸器・循環器系疾患」とリハビリテーションに関連が深い疾患・外傷を多彩に網羅している点にも注目すべきである.本書を通読すれば,リハビリテーション診療で接することの多い疾患とその画像を理解し,リハビリテーションにおける予後予測やリスク管理などを確実に進められるようになるだろう.また,随所に挿入されるコラム「Advanced Study」と「Topics」は,臨床へのヒントを与えてくれる重要なアクセントとなっているところも見逃せないポイントである.
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