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書評 —前田眞治(執筆)—「《標準理学療法学・作業療法学・言語聴覚障害学 別巻》脳画像」
網本 和
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1首都大学東京健康福祉学部理学療法学科
pp.770
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201287
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日本の理学療法士が担当する症例のうち最も頻度が高いのは脳血管障害の30%であり,2位の骨折19.2%を大きく引き離しています(『理学療法白書2016』より).したがって,多くの理学療法士にとって脳血管障害の評価と治療は日々つきつけられる喫緊の課題です.特にその病態の理解,予後予測,理学療法治療計画のためには「脳画像」の理解が欠くことができないものになっています.
学生の頃から大変な思いをしてこの「脳画像」を理解しようとして,何度もくじけそうになった経験は誰しもあると思います.何故くじけそうになるのでしょうか? 最初にBrodmannの脳地図から始めてしまうと,脳の解剖図の膨大で複雑な部位,名称に「これを覚えなくてはならないのか?」という思いにかられるのでしょう.そしてこれがとりわけ重要な点ですが,実際の臨床症状との結び付きのイメージがないまま,やみくもに覚えようとしてしまい脳の迷宮をさまようことになるのです.
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