Japanese
English
特集 骨粗鬆症—指導に役立つエビデンス
紫外線によるビタミンD産生—必要な日照時間と影響因子
Vitamin D production by UV light: required daylight hours and influencing factors
西田 佳弘
1
,
牧田 和也
2
,
落合 聡史
2
Yoshihiro Nishida
1
,
Kazuya Makida
2
,
Satoshi Ochiai
2
1名古屋大学医学部附属病院リハビリテーション科
2名古屋大学医学部附属病院整形外科
1Department of Rehabilitation Medicine, Nagoya University Hospital
2Department of Orthopaedic Surgery, Nagoya University Hospital
キーワード:
ビタミンD
,
紫外線
,
日照時間
Keyword:
ビタミンD
,
紫外線
,
日照時間
pp.351-355
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202196
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はじめに
骨粗鬆症を予防,あるいは進行させないためには日光浴が重要であることは広く認識されている.一方,過度の紫外線は日焼けなどの皮膚障害や皮膚がんになるリスクが上がるため,日光浴を避けるさまざまな工夫がなされ,結果紫外線に当たらない生活を送り,十分なビタミンD産生が得られないことにつながっている.骨粗鬆症を予防するために必要でかつ適切な日光浴について,どの程度の日照時間が必要なのかについて周知されていない.個人の皮膚における色素沈着の程度,年齢,日光浴をする時間帯・天候・季節・住んでいる場所の緯度によってもビタミンDの生成に大きく影響する.適切な日照時間の知識を得たとしても,寝たきりやそれに近い状態にある高齢者や患者が適量の日光を浴びることは困難である.本稿ではビタミンDの目標とする充足量,ビタミンDを生成するために必要な紫外線,居住場所や時間帯による必要な日照時間,紫外線の短所である皮膚障害に関しての評価基準,日光浴に代わる新しい紫外線照射機器開発の可能性について論ずる.
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