Japanese
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特集 骨粗鬆症—指導に役立つエビデンス
非荷重骨の骨量低下とその改善
Prevention of bone loss in non-weight-bearing bones
篠原 正浩
1
Masahiro Shinohara
1
1国立障害者リハビリテーションセンター研究所運動機能系障害研究部分子病態研究室
1Department of Rehabilitation for the Movement Functions, Research Institute, National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities
キーワード:
骨粗鬆症
,
骨リモデリング
,
非荷重骨
Keyword:
骨粗鬆症
,
骨リモデリング
,
非荷重骨
pp.345-349
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202195
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はじめに
骨粗鬆症は骨量と骨組織の微細構造の異常により,骨の脆弱性が増大し,骨折の危険性が増加する疾患である.骨粗鬆症の治療薬の開発が進み,骨折リスク評価や治療開始基準の進展もあり,ある程度骨粗鬆症を抑圧することが可能になる医療が実現しつつあるものの,骨粗鬆症の制圧には道半ばである.2015年の時点で40歳以上の骨粗鬆症患者数は1300万人近いと推計されているが,この中には立位歩行が困難な障害を抱える若齢者の骨粗鬆症は含まれず,それらを含めるとさらに多いものと予想される.
一般的に骨粗鬆症の改善には薬物治療に加え,食事,日光浴,運動が重要だが,寝たきりなど身体活動が制限される障害者では荷重訓練が困難であり,必ずしも骨量維持に十分な運動が可能とは限らない.また,運動により荷重骨を保護することが可能であったとしても,普段から負荷がかからない非荷重骨を運動により保護することは難しいと思われる.しかし,身体活動が困難な障害者の骨量低下を保護することは,介護骨折を防ぐ観点からも非常に重要な課題の一つであり,本稿では寝たきり障害者の全身の骨を保護するという観点から非荷重骨の保護を考えてみたい.
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