特集 小児診療における包括的医療
2.アレルギー疾患の包括的医療
小林 茂俊
1
1帝京大学医学部小児科・小児アレルギーセンター
キーワード:
アレルギー
,
包括的医療
,
移行期医療
,
センター化
,
医療連携
Keyword:
アレルギー
,
包括的医療
,
移行期医療
,
センター化
,
医療連携
pp.9-16
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001596
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アレルギー疾患における包括的医療には,「疾患」の包括,「年齢」の包括,「地域」の包括の3つがあると考える.アレルギー疾患は合併しやすく,1つの疾患が他の疾患の発症・病勢に影響を及ぼす.そのため,アレルギー疾患の予防・治療には,合併するすべてのアレルギー疾患を総合的に診療する必要がある.アレルギー疾患は,病態を変えながら一生続く可能性があるため,母胎内から高齢に至るまで継ぎ目のない診療が望まれる.とくに,思春期—小児から成人への移行期—は円滑な移行を行ううえで重要である.これら疾患と年齢の包括を実現する1つの方法として,アレルギー疾患を診療する医師で診療科の垣根を越えたチームを作り包括科を設置すること,センター化が考えられる.アレルギーは地域でケアするという考えから,地域の医療連携のみならず,行政,学校,保育施設等との連携も強化し,地域の包括も推進するべきである.
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