Japanese
English
特集 認知症ケアのプラットフォーム
パーソン・センタード・ケア
Person-centred care
内田 達二
1
,
村田 康子
2
Tatsuji Uchida
1
,
Yasuko Murata
2
1東京医療学院大学保健医療学部リハビリテーション学科作業療法学専攻
2NPO法人パーソン・センタード・ケアを考える会
1Department of Occupational Therapy, Facalty of Health Science, University of Tokyo Health Sciences
2Japanese Society for Person-Centred Care
pp.925-932
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202050
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はじめに
パーソン・センタード・ケア(Person-centred care)の-centredの辞書的な意味は「having the thing mentioned as the most important feature or centre of attention(最も重要な機能または注意の中心として言及された物事がある)」1)であり,パーソン・センタード・ケアを直訳すると「人(person)を重要視するケア」である.-centredという概念は,認知症ケアのみならず,保健・医療・福祉領域で,支持されるようになっており,patient-centred2),client-centred3)などが提唱されている.また,世界保健機関は,people-centred4)な医療サービスを包括的な枠組みとして推奨している.日本の認知症施策推進大綱においても「認知症の人本人の視点に立った」認知症バリアフリーの推進が謳われている5).
このように医療・保健・福祉サービスが中心に据えている当事者(patient,client,people,person)本位の標榜は,サービスの自己決定,その人の嗜好に合ったサービスの提供を示している場合が多い.本稿ではパーソン・センタード・ケアの概念について概観したうえで,その思想が目指すことや実践について説明する.
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