特別記事
―認知症ケアに携わるすべての人のために―パーソン・センタード・ケアの理念
水野 裕
1
Mizuno Yutaka
1
1一宮市立市民病院今伊勢分院老院老年精神科
pp.1212-1217
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100287
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「認知症のケアは難しい」,確かにその通りでしょう.
しかし,「だから仕方ない」と思ってしまったら,それで終わりです.
ここでは,人間性――認知症高齢者はもちろん,ケア提供者のそれをも――
中心に据えた新しいケアの理念を紹介していただきます.
はじめに
パーソン・センタード・ケアとは,今は亡きトム・キットウッドTom Kitwood教授(以下,トム)が1990年代前半に提唱した概念である.最近,後述する「オールドカルチャー」や「ニューカルチャー」などの言葉とともに研修などで聞かれることがとみに多くなったが,実際に正確に理解されているとは言いがたいことも多い.筆者は,認知症介護研究・研修大府センターに勤務していた2003(平成15)年度より,「パーソン・センタード・ケアとDCM(dementia care mapping:認知症ケアマッピング)法」の導入事業に関わってきたため,この事業を通じて,理解しえた理念の概略を紹介したい.
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