Japanese
English
研究と報告
急性期脳卒中患者の嚥下造影検査における食物移送時間を指標とした嚥下訓練食からの離脱予測
Prediction of withdrawal from a swallowing diet by food transport time as an index in video fluorographic study of swallowing of acute stroke patients
中山 靖規
1
,
太田 剛史
2
,
川田 敬
3
,
池亜 里沙
1
,
津野 友里
1
,
中島 朱也香
1
,
加嶋 憲作
1
Yasunori Nakayama
1
,
Tsuyoshi Oota
2
,
Kei Kawata
3
,
Arisa Ike
1
,
Yuuri Tsuno
1
,
Ayaka Nakajima
1
,
Kensaku Kashima
1
1高知医療センター医療技術局リハ技術部
2高知医療センター脳神経外科
3高知大学医学部附属病院薬剤局
1Department of Medical Technology Rehabilitation Service, Kochi Health Sciences Center
2Department of Neurosurgery, Kochi Health Sciences Center
3Department of Drug Bureau, Kochi Medical School Hospital
キーワード:
嚥下障害
,
嚥下造影検査
,
食物移送時間
,
急性期脳卒中
,
離脱予測
Keyword:
嚥下障害
,
嚥下造影検査
,
食物移送時間
,
急性期脳卒中
,
離脱予測
pp.671-676
発行日 2020年7月10日
Published Date 2020/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201993
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨 【背景】現在まで嚥下造影検査(videofluorographic examination of swallowing;VF検査)は定性的な評価に限られており,結果から嚥下訓練食からの離脱の可否を予測することは困難であった.筆者らはVF検査における食物移送時間を計測し,嚥下訓練食からの離脱についての予測が可能であるかを検証した.【対象】VF検査を実施した急性期脳卒中患者122名を対象とした.【方法】検討項目は年齢,性別,VF検査実施時にヨーグルト状検査食品4gを自由嚥下した際の口腔内移送時間,嚥下反射惹起時間,咽頭内通過時間とした.対象を言語聴覚士介入から4週間後に摂取していた食事形態で2群に分け,嚥下訓練食から離脱可能であった56名と,離脱不可であった66名の比較検討を行った.【結果】離脱可能であった群は有意に若く(平均72.0歳,p=0.079),口腔内移送時間が短かった(4.4秒,p=0.001).Receiver operating characteristic curve解析では口腔内移送時間2.5秒のカットオフ値で感度50.0%,特異度84.8%,曲線下面積0.70であった.【結語】急性期脳卒中患者のVF検査における口腔内移送時間は,嚥下訓練食からの離脱を予測する指標になり得ることが示唆された.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.