Japanese
English
症例報告
メモを利用することで自発話の構音が改善した皮質下性失語の1例
Improvement of articulation in spontaneous speech of subcortical aphasia by using memorandum
山田 晃司
1
,
橋本 竜作
2
,
幅寺 慎也
1
Koji Yamada
1
,
Ryusaku Hashimoto
2
,
Shinya Habadera
1
1医療法人社団shindo旭川リハビリテーション病院リハビリテーション部
2北海道医療大学リハビリテーション科学部言語聴覚療法学科
1Department of Rehabilitation, Asahikawa Rehabilitation Hospital
2Department of Communication Disorders, School of Rehabilitation, Health Sciences University of Hokkaido
キーワード:
皮質下性失語
,
運動障害性構音障害
,
代償手法
Keyword:
皮質下性失語
,
運動障害性構音障害
,
代償手法
pp.677-681
発行日 2020年7月10日
Published Date 2020/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201994
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要旨 【はじめに】皮質下性失語に伴う構音の障害は自発話で顕著に出現し,生活場面で意思疎通制限を生じる.今回,軽度の皮質下性失語症例に,伝えたい内容の要点となる単語を事前に書き出し,その後に発話する「メモ発話」という代償手法を導入し,その効果を検討した.【対象】71歳,右利き,男性.軽度の皮質下性失語を認め,音の歪みを中核とする構音の障害であった.【方法と結果】4コマ漫画の説明課題を用い,2条件(自発話とメモ発話)の実質語数と音の誤り,聴覚的印象評価について比較した.その結果,自発話に比べ,メモ発話で実質語の数が増え,音の誤りも有意に減少した.さらに聴覚的印象評価もメモ発話で有意に発話の違和感が少なかった.【結論】自発話に比して音読で構音が改善し,かつ自発書字がある程度可能な症例には「メモ発話」を導入することで,利用場面は限られるものの,コミュニケーションを改善できる可能性がある.
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