Japanese
English
特集 歩行障害にどう対応するか
犬と一緒に楽しく歩く—歩行障害と介助犬の利用
Gait disability and Service dog
高柳 友子
1,2,3
Tomoko Takayanagi
1,2,3
1社会福祉法人日本介助犬協会
2愛知医科大学医学部
3横浜市総合リハビリテーションセンターリハビリテーション科
1Japan Service Dog Association
2Aichi Medical University
3Department of Rehabilitation, Yokohama Rehabilitation Facility
キーワード:
介助犬
,
身体障害者補助犬法
,
生きた補装具
,
動物介在療法
,
社会参加
Keyword:
介助犬
,
身体障害者補助犬法
,
生きた補装具
,
動物介在療法
,
社会参加
pp.339-346
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201922
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
これまで介助犬使用者の多くが若年の脊髄損傷,頸髄損傷者と考えられてきたが,昨今,脳卒中片麻痺者や神経筋疾患,関節リウマチなどによる歩行障害を有する使用者が増加している.
歩行障害に対して犬が,そして介助犬がどのように有効であるかの医学的検討はなされていない.後述する介助犬使用者全員にとって社会参加上の最大の課題は「不安」であり,介助犬との歩行によって不安が解消され,意欲が上がり,歩行能力が向上した.犬の飼育や犬との散歩が,人の健康にどのように影響するか1-6),心臓疾患を有する人の予後などにどのような効果があるか1,7)といった調査研究は数多い.犬は猫と異なり,毎日の世話を要する動物である.ご飯をあげることと排泄の世話をすること,そして「散歩」をすることが求められる動物である.「散歩」すなわち屋外を歩行することが毎日求められる.そこで本稿では,介助犬が,そして犬が歩行にどのような効果を及ぼすかについて述べたい.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.