Japanese
English
症例報告
新たな自助具の考案により食事動作が自立した不全四肢麻痺を呈した1症例
Achievement of independent meal activities through the development of new self-help devices in a case of incomplete quadriplegia
佐藤 岬
1
,
窪 優太
2
,
林 浩之
2
Misaki Sato
1
,
Yuta Kubo
2
,
Hiroyuki Hayashi
2
1医療法人社団喜峰会東海記念病院作業療法科
2星城大学リハビリテーション学部
1Division of Occupational Therapy, Rehabilitation Center, Tokai Memorial Hospital
2Faculty of Care and Rehabilitation, Seijoh University
キーワード:
食事
,
自助具
,
四肢麻痺
Keyword:
食事
,
自助具
,
四肢麻痺
pp.169-173
発行日 2020年2月10日
Published Date 2020/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201877
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要旨 【背景】食事に関する自助具は万能カフなどいくつかあるが,機能状態によっては既存の自助具が適合しないこともある.筆者らは,両上肢機能障害のために自身での食事自助具の装着が困難な症例に対し,新たな自助具を考案した.【対象】脳梗塞および脊髄梗塞と診断された60歳台の女性.不全四肢麻痺を認め,日常生活活動(activities of daily living;ADL)は全介助であった.両手ともピンチ力は0kgであったが,右上肢での口元へのリーチは可能であり,食事自助具が適用となった.しかし,自助具の装着は自身では不可能であった.【実践】筆者らが考案した自助具は,母指,示指および中指での把持部分に窪みをつけ,そこに各手指を当てることで,ベルトなどの固定が不要な形態とした.新たな自助具の使用により,症例は自身での自助具の装着が可能となり,食事動作が遂行可能となった.【結論】考案した自助具は,手指への固定が不要であり,食事動作の自立度を高める自助具として役立つと考える.
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