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がん看護専門看護師(以下,OCNS)の活動を紹介するリレーエッセイは2019年から連載が始まり,2025年で7期目となります.この企画は,OCNSの活動を言語化して紹介することで,若手の看護師がOCNSを目指したいと思うような,また,OCNSとしての活動に悩む方の示唆を得る機会となることを意図として連載が継続されています.
専門看護師制度の開始から29年目を迎え,現在登録されているOCNSの数は1,090名となりました(2023年12月現在).2024年は医療・介護・障害福祉のトリプル改定の年となりました.医療機関と介護保険施設等との連携強化,患者の希望に応じた看取りの推進に関する見直しをはじめ,患者の状態および必要と考えられる医療機能に応じた入院医療として機能分化・強化を促進し,効果的・効率的な提供体制の整備について明示されました.また,2023年の高齢化率は過去最高になり,地域包括ケアシステムの深化・推進が求められています.がん医療においては,第4期がん対策推進基本計画の全体目標として,「誰一人取り残さないがん対策を推進し,すべての国民とがんの克服を目指す」が掲げられています.そして今やOCNSが活動する場や活動形態もさまざまとなっています.
皆それぞれが目的や希望をもってOCNSになられたと思います.「もっと患者さんへ質の高い看護を提供したい」「がん看護をしっかりとスタッフに伝えたい」「憧れの〇〇さんのように横断的な活動をしたい,あんなふうに看護を語れたら」など,OCNSを目指したきっかけはさまざまだと思います.そして晴れてOCNSの認定を受けて現場に戻ったときに,「あれ? こんなはずでは……」「自分は何もできていないな」という理想と現実のギャップを感じ,苦悩している若手のOCNSも多いのではないでしょうか.
今回は,そんなギャップに悩む若手のOCNSへ応援メッセージを伝えたいと考えました.今まさにギャップを感じているであろう認定後1~2年目のOCNSにはその想いを,ギャップを乗り越えて更新を終えたOCNSにはどのようにそのギャップを乗り越えていったのかを,そして組織の中で長く活動しているOCNSや教育的立場にいるOCNSにはギャップをもちつつがんばっているOCNSの読者の皆さまにメッセージを伝えていただきます.皆さまの活動のヒントになればと思います.
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