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2020年4月に,わが国の「健康・医療戦略(第2期)」が発表された1).これは健康・医療戦略推進法(平成26年法律第48号)第17条に基づき,国民が健康な生活および長寿を享受することのできる社会(健康長寿社会)を形成するため,政府が講ずべき医療分野の研究開発および健康長寿社会に資する新産業創出などに関する施策を総合的かつ計画的に推進するべく策定するもので,対象期間は2020~2024年度までの5年間で,フォローアップの結果などを踏まえ,必要に応じて見直しを行うこととなっている.基本方針としては,世界最高水準の医療の提供に資する医療分野の研究開発の推進のために,①日本医療研究開発機構(AMED)を核とした基礎から実用化までの一貫した研究開発,②モダリティなどを軸とした “統合プロジェクト” の推進,③最先端の研究開発を支える環境の整備である.研究開発の推進にあたっては,6つの統合プロジェクトを定め,プログラムディレクターのもとで,各省の事業を連携させ,基礎から実用化まで一元的に推進することとなっている.6つの統合プロジェクトとは,①医薬品プロジェクト,②医療機器・ヘルスケアプロジェクト,③再生・細胞医療・遺伝子治療プロジェクト,④ゲノム・データ基盤プロジェクト,⑤疾患基礎研究プロジェクト,⑥シーズ開発・研究基盤プロジェクトである.また,健康寿命延伸を意識し,従来の診断/治療ばかりではなく,予防/診断/治療/予後・QOL(quality of life)といった開発目標を明確にした技術アプローチを実施するとともに,野心的な目標に基づくムーンショット型の研究開発も含めることとなっている.本稿では,6つの統合プロジェクトのひとつである医療機器・ヘルスケアプロジェクトの研究開発支援について,これまでの経緯とともに,とくに第2期の活動の方向性について述べることとする.
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