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Key Questions
Q1:下肢慢性創傷におけるフットウェアの種類とは?
Q2:治療に応じたフットウェアの選択のために,観るべきポイントは?
Q3:OTとしてのフットウェアへのかかわりは?
はじめに
糖尿病罹患者は年々増加の一途をたどっており,2016年(平成28年)の「国民健康・栄養調査報告」1)によると,糖尿病が強く疑われる者(糖尿病有病者)は約1,000万人と推計された.これらの患者は,潰瘍発症リスクも高く,合併症である血流障害・感覚障害等により治療に難渋することも少なくない.特に,下肢・足部に生じた潰瘍は,患部の免荷のため,歩行・立位時の荷重コントロールを行う.また,潰瘍の治療が終了しても再発リスクは存在することから,予防する取り組みが必要とされる.
足潰瘍の治療や予防を目的として,足底装具や短下肢装具といった下肢装具(以下,フットウェア)を用いることがある.糖尿病性潰瘍治療のガイドラインにも「糖尿病性潰瘍では,減圧することが最も治癒率をあげる」,「予防的フットウェアは切断リスクのあるあらゆる患者に処方されるべきである」との記述がある2,3).つまり,糖尿病罹患者は,予防・治療・再発予防を目的として,その時々に応じたフットウェアの装着が必要不可欠である4).
フットウェアは,入院生活のみならず在宅生活においても介入を行う.また,装着には上肢の動きも必要とされ,身体状況や生活環境を把握したうえで,適切な装着が可能であるかを確認すべきであり,これにはOTとの連携が求められる.日常生活動作や社会復帰に向けた訓練を行う中で,フットウェアも含めた介入がなされることで,適切な装着や使用につながるものと考える.
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