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特集 義肢・装具ハンドブック
Ⅵ.義肢・装具製作の実際
義肢・装具に使用される金属材料,プラスチックス材料
Metals and Plastics as Prosthetic and Orthotic Material
鋤園 栄一
1
Eiichi SUKIZONO
1
1大阪厚生年金病院
1Department of Prosthetics and Orthotics, Osaka Kosei Nenkin Hospital.
pp.951-958
発行日 1978年11月15日
Published Date 1978/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101820
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はじめに
義肢,装具に最近使用される材料(素材)は,ときの流れと化学の進歩に伴って,その種類も一般器具と同じように多くの材料を使われるように変りつつある.古くは西歴1500年頃にフランス人の医師であるパレが鎧鍛冶や,錠前屋に鉄を用いた義手や,コルセット(体幹装具)を作らせたことは有名である.今世紀のはじめより第二次世界大戦が終るまでの期間は,外骨格構造の支柱を義肢・装具に使い,ソケットなども木製が多かった.その後,鉄の強靱性活用して,より保持性を高めた義肢・装具つくることに努力を重ねた.しかし鉄は,重さの点で肉体の疲労度に連がることも考えられる.そこでアルミニウム合金を利用した鉄より軽く,強度も十分に得られるジュラルミンを義肢・装具に適用されるようになってから更に義肢・装具の発展期をむかえる.この軽い金属は現在でも多くの義肢・装具に利用されているが,戦後欧米で発達したフラスチックスによって,また,一つの転換期をむかえることになる.化学合成され,高分子をもったプラスチックスによって,アルミニウム合金の腐食性を解消し弾力性もともに備えている義肢・装具が次々に発明されるに至った.現在もなおこの材料によって進歩しつつある.この新しい材料もそその使用方法を間違えると古い素材を使ったよりむしろ不適当な製品となる.そこでここでは材料がどのように義肢・装具に応用されているか,また,その構造及び加工上の諸条件についてのべる(図1,2,3).
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