終末期がん患者に関わる看護師の専門看護師・認定看護師の役割に対するニーズ

Nurses' Needs for Roles of Certified Nurse Specialists/Certified Nurses for the Cancer Patients Taking the End-of-life Care

Ⅰ．はじめに

　がん終末期において生じる医療や看護の問題はしばしば複雑であり，部署内の資源のみの活用では解決に至らないことも多い．特に，患者・家族・医療者間の意向の対立や，療養場所の選択・移行は，当事者のみでは解決が難しいと言われている^1）2）．

　2009年，日本看護協会は，医療関係職との役割分担に関して，「看護の質の保証のためには，特定領域における高い専門性を有する専門看護師，認定看護師等を積極的に活用することも有効である」と述べている^3）．つまり専門看護師・認定看護師（以後，専門・認定看護師という）は，部署内で解決が困難な問題が生じた場面において，相談や調整などの役割を期待されていると言える．しかしこれまでに，終末期がん患者に関わる看護師が，専門・認定看護師に対してどのようなサポートを求めているかは十分に報告されていない．そこでわれわれは，終末期がん患者に関わる看護師の専門・認定看護師の役割に対するニーズを調査し，終末期がん看護における専門・認定看護師の活動のあり方を検討した．