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短報
当院で行ったダウン症候群児の嚥下造影についての検討
A Study of videofluoroscopic examination of swallowing in children with Down syndrome
和田 勇治
1
,
井口 陽子
1
Yuji Wada
1
,
Yoko Iguchi
1
1東京都立小児総合医療センターリハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Tokyo Metropolitan Children's Hospital
キーワード:
ダウン症候群
,
小児
,
嚥下障害
,
嚥下造影
Keyword:
ダウン症候群
,
小児
,
嚥下障害
,
嚥下造影
pp.381-384
発行日 2019年4月10日
Published Date 2019/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201616
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要旨 【背景】国内でのダウン症候群児(以下,ダウン症児)の嚥下造影についてのまとまった発表や,同一児での複数回の検査の報告はあまり見当たらないため,東京都立小児総合医療センターでの例を報告する.【対象】2010年3月〜2016年12月に,リハビリテーション科で嚥下造影を行ったダウン症児11例(計16件).【方法】検査依頼理由,嚥下造影所見,検査後の方針などについて後方視的に検討した.【結果】検査依頼理由は肺炎・上気道炎5件,哺乳時の症状5件,現状評価4件,経口開始判断2件.口腔機能の障害は12件(75%)に,食道機能の障害は判定不能の4件を除いた12件中5件(42%)に認めた.咽頭機能の障害は14件(88%)であり,そのうち喉頭侵入・誤嚥は11件(69%)であった.複数回検査を行った3例(8件)のうち2例(5件)では,誤嚥が継続して確認された.検査後の方針では現状継続6件,哺乳中止3件,哺乳・経口量制限2件,経口開始2件,とろみ付加2件,経口量増加1件であった.【結語】ダウン症児では,誤嚥のみならず哺乳量不足や嘔吐などへの配慮,定期的な経過観察・評価などが必要である.
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