Japanese
English
研究と報告
脳損傷者に対するドライビングシミュレータ訓練とリプレイ機能を用いたフィードバックの効果
The effect of driving simulator training and feedback by using replay option of driving simulator in patients with brain injury
外川 佑
1,2,3
,
村山 拓也
2
,
佐藤 卓也
2
,
﨑村 陽子
2
,
伊藤 誠
3
Tasuku Sotokawa
1,2,3
,
Takuya Murayama
2
,
Takuya Satoh
2
,
Youko Sakimura
2
,
Makoto Itoh
3
1新潟医療福祉大学作業療法学科
2新潟リハビリテーション病院
3筑波大学システム情報工学研究科
1Department of Occupational Therapy, Niigata University of Health and Welfare
2Niigata Rehabilitation Hospital
3Faculty of Engineering, Information and Systems, University of Tsukuba
キーワード:
自動車運転
,
高次脳機能障害
,
ドライビングシミュレータ訓練
,
病識
,
メタ認知
Keyword:
自動車運転
,
高次脳機能障害
,
ドライビングシミュレータ訓練
,
病識
,
メタ認知
pp.465-471
発行日 2018年5月10日
Published Date 2018/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201312
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要旨 【序論】自身の運転能力の過大評価は運転の危険因子とされているが,脳損傷者の運転の過大評価に対する介入研究はない.本研究では,ドライビングシミュレータ(driving simulator;DS)訓練とDSのリプレイ機能を用いたフィードバック(feed back;FB)が運転パフォーマンスや過大評価を改善させるかを検証した.【方法】対象は自動車運転評価とDS訓練を実施した脳損傷者20名とした.介入は,市街地を走行するDS訓練とリプレイ機能を用いたFBを組み合わせて計3〜6回実施した.アウトカムは,介入前後に測定した効果判定用コースの7項目の走行データを比較した.また,効果判定用コース走行後に6項目のVisual Analogue Scale(VAS)を用いて計測した自身の運転の評価と作業療法士による他者評価について,一致度をみる級内相関係数を算出した後,介入前後間・自己他者間の二要因の反復測定二元配置分散分析を実施した.【結果】介入後において,走行データの急ブレーキ回数,不適切な方向指示提示の回数,速度超過の平均の項目が改善した.VASは全項目で一致度に加え,自己・他者両評価が向上した.また,VASの交差点・コーナー・レーンにおける位置取り,注意,総合的な運転技能の項目では交互作用を認めた.【結論】脳損傷者に対するDS訓練とリプレイ機能を用いたFBは,運転パフォーマンス向上や適正な自己評価を促し,運転行動を改善させることが示唆された.
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