時評
『厚生白書』と厚生行政
姉崎 正平
Masahira ANESAKI
pp.439
発行日 1987年5月1日
Published Date 1987/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209069
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『昭和61年度厚生白書』が今年1月に発表された.それに対する紹介や論評がすでに新聞や雑誌で行われた.
『厚生白書』は1956年(昭和31年)から毎年,刊行されてきた.冒頭に厚生大臣の顔写真が入るようになったのは昭和58年度版からで,その直後に選挙を控えていた時ではなかったかと思われる.従来,各省の白書類は大蔵省印刷局で印刷される政府刊行物であったが,昭和60年度版からは臨調行革路線による民活のためか,編集は厚生省であるが発行は厚生省の外郭団体である厚生統計協会になった.それとともに白書の体裁も変わった.柔らかい表紙にカバーが付き,例えば今回発行の『厚生白書』では,各章の扉に幸せそうな老人などのカラー写真を載せ,図表も多色刷りになった.確かに,従来の政府刊行物時代に比し,帯の広告にあるように"わかりやすさ,読みやすさ,新しさ"に工夫が凝らされてきたのが分かる.
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