特別寄稿
薬害エイズを共に生きて―私達夫婦の物語
浅川 身奈栄
1
,
井上 昌和
1
1薬害エイズを考える会
pp.121-124
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100564
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夫の告白
結婚してちょうど丸2年が経とうとしていた1996年の11月,夜遅くに札幌から帰ってきた夫は,私にある告白をした.
血友病患者の約4割が被害を受けた薬害エイズ訴訟は同年3月の東京・大阪両地裁での和解を受け,その直後から北海道での訴訟が始まっていた.「被害を受けた仲間たちの支援のために」と言って,夫は時折,当時住んでいた稚内から札幌へ足を運ぶようになっていた.その夜も,夫はそんな支援の集まりに参加して帰ってきたばかりだった.
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