Japanese
English
特集 難病に対する医療・福祉とリハビリテーション
難病の就労支援の概況
Overview of employment supports for persons with intractable diseases in Japan
春名 由一郎
1
Yuichiro Haruna
1
1独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構障害者職業総合センター
1National Institute of Vocational Rehabilitation
キーワード:
治療と仕事の両立支援
,
障害者雇用率制度
,
合理的配慮
,
福祉的就労
,
カスタマイズ就業
Keyword:
治療と仕事の両立支援
,
障害者雇用率制度
,
合理的配慮
,
福祉的就労
,
カスタマイズ就業
pp.1045-1049
発行日 2018年11月10日
Published Date 2018/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201471
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
難病による「障害」は,固定した後遺症に限定されず,障害者手帳制度の対象でない場合でも,「体調の崩れやすさ」,「疲れ」,「痛み」,「免疫低下」,「皮膚障害」などによって,広い意味での「健康状態に関連した生命・生存,生活,人生の困難状況」が顕著になりやすい1).
近年,障害者総合支援法や障害者雇用促進法において,そのような難病による「障害」も支援対象になった.また,わが国の障害者就労支援は以前からの障害者雇用率制度や福祉的就労以外にも新たな取り組みを広げている.難病の治療と仕事の両立支援はがんや慢性疾患と共通した課題である.国連障害者権利条約による合理的配慮提供・差別禁止は,以前から「難病のある職業人」からの要望の多かったものである.さらに,特に医療依存度が高く重度の障害のある難病患者にとって,従来は就労支援が「究極の目標」になりがちであったが,現在,情報通信技術や働き方の多様化・柔軟化によって新たな就労支援の可能性と課題が明らかになりつつある.
本稿では,このような幅広い難病の就労支援について,既に法制度や支援体制の整備が進んでいる状況や,今後の課題としての先駆的取り組みまで現況を整理したい.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.