障害福祉サービスとリハビリテーション
10.就労継続支援B型(非雇用型)
山口 創生
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1国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 地域精神保健・法制度研究部
キーワード:
保護的就労
,
福祉的就労
,
利用までの流れ
Keyword:
保護的就労
,
福祉的就労
,
利用までの流れ
pp.623-627
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr034060623
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はじめに
就労継続支援B型事業所(以下,B型事業所)は,福祉的就労あるいは保護的就労とよばれる支援形態の1つである.具体的には,一般企業に雇用されることが困難であって,雇用契約に基づく就労が困難である者に対して,利用期限を設けず,就労の機会および生産活動の機会を提供することを目的としている 1).雇用契約に基づかない就労は,言い換えると,利用者に対する労働対価が最低賃金以下となることが認められている事業となる.わが国では,小規模作業所や授産施設が障害当事者(以下,当事者)に福祉的・保護的就労の機会や居場所を提供してきたが 2),障害者総合支援法の成立以降,その役割はB型事業所に受け継がれている 3).2006年に施行された障害者総合支援法以降は,民間企業も参入するようになり,事業所数は増加の一途を辿っている.2023年の調査では,全国のB型事業所数が16,713事業所(前年度から7.2%増加)となっており,成人向け障害福祉サービスとしては,居宅介護事業,重度訪問介護事業に続き3番目に多い事業種別となっている 4).本稿では,B型事業所の対象者やサービス内容,リハビリテーションとのかかわり等を概観し,そのうえで課題を整理することを目的とする.

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