Japanese
English
特集 難病に対する医療・福祉とリハビリテーション
多職種連携による外来診療の新しいかたち
The new style of outpatient clinic with multidisciplinary care
狩野 修
1
,
坂野 晴彦
2
,
杉澤 樹
3
,
澤田 雅裕
1
,
村田 貴代子
1
,
鷲澤 尚宏
4
,
海老原 覚
3
,
岩崎 泰雄
1
Osamu Kano
1
,
Haruhiko Banno
2
,
Tatsuki Sugisawa
3
,
Masahiro Sawada
1
,
Kiyoko Murata
1
,
Naohiro Washizawa
4
,
Satoru Ebihara
3
,
Yasuo Iwasaki
1
1東邦大学医療センター大森病院神経内科
2マサチューセッツ州立大学医学部神経内科
3東邦大学医療センター大森病院リハビリテーション科
4東邦大学医療センター大森病院栄養治療センター栄養部
1Department of Neurology, Toho University Omori Medical Center
2Department of Neurology, University of Massachusetts Medical School
3Department of Rehabilitation, Toho University Omori Medical Center
4Nutrition Therapy Center, Department of Nutritional Management, Toho University Omori Medical Center
キーワード:
筋萎縮性側索硬化症
,
多職種連携診療
,
ALSクリニック
Keyword:
筋萎縮性側索硬化症
,
多職種連携診療
,
ALSクリニック
pp.1039-1044
発行日 2018年11月10日
Published Date 2018/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201470
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はじめに
筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis;ALS)は神経変性疾患の中でも特に進行が早く,平均生存期間は3〜5年とされている.四肢の筋力低下のみならず,呼吸筋や話す,飲み込むといった機能までもが障害される.診断,告知,治療方針に加え,介護から精神的,経済的な面まで神経内科医が1人で解決することは困難であり,各専門家に問題をゆだねるのが最も効果的である.そこで考えられたのがmultidisciplinary clinicといわれる多職種による診療形態で,1970年代にアメリカではじまり,その後ヨーロッパにもひろがった.通院や移動が困難なALS患者にとって診察,検査に加え,ソーシャルワーカー,栄養士,治験コーディネーターなどとの面談が1回の受診で完結することは大きな助けになった.すでに海外の研究では,多職種連携診療が患者の生命予後や生活の質(quality of life;QOL)改善に繋がると報告され,先進国では多職種連携診療がALSの標準的治療になっている1-4).
東邦大学医療センター大森病院神経内科(以下,当科)外来におけるALSの多職種連携診療(通称 ALSクリニック)開設までの経緯と現在の活動を述べる.
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