Japanese
English
紹介
重症心身障害者に対する腹臥位姿勢での摂食嚥下訓練の有効性
The effect of eating and swallowing training in a prone position for a patient with severe motor and intellectual disabilities
平島 淑子
1
,
村上 亜由美
1
,
宮本 祐子
1
,
原田 光明
1
,
斉藤 宏美
1
Toshiko Hirashima
1
,
Ayumi Murakami
1
,
Yuko Miyamoto
1
,
Mitsuaki Harada
1
,
Hiromi Saito
1
1茨城県立あすなろの郷病院
1Ibaraki Prefectural Asunaronosato Hospital
キーワード:
腹臥位姿勢
,
摂食嚥下訓練
,
重症心身障害者
Keyword:
腹臥位姿勢
,
摂食嚥下訓練
,
重症心身障害者
pp.767-770
発行日 2018年8月10日
Published Date 2018/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201393
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要旨 【背景】著明な嚥下障害を生じる重症心身障害に対して腹臥位姿勢での摂食嚥下訓練を行い,その有効性を検討した.【対象】症例は47歳,女性.診断名は痙直型アテトーゼ脳性麻痺である.38歳時に胃瘻造設術を施行後も摂食機能維持のため昼食時のみ車椅子座位での食事摂取を行っていたが,46歳ごろから徐々にむせ込みが頻回となった.【方法】ビデオ透視嚥下検査を用いて嚥下機能評価を行い,嚥下前誤嚥が主たる要因であると判断した.腹臥位姿勢での摂食機能が良好であったため,腹臥位装置での摂食嚥下訓練を開始した.【結果】腹臥位ではムセや嘔吐が減少したため大幅に経口摂取量が改善し,胃瘻部からの栄養補給が不要となった.食事メニューの目視も頻回となり,摂食時の呼吸状態も安定した.【結語】本症例のように嚥下前誤嚥が主たる要因の場合,腹臥位姿勢をとることによってオーラルコントロールが容易となる.また重力による下顎後退・舌根沈下の減少,上気道の確保による努力呼吸の軽減,唾液の流出と停滞の軽減も摂食機能の改善に影響したと考えた.
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