Japanese
English
特集 身体障害者の移動手段
自家用車としての福祉車両の現状
The present conditions of the welfare vehicle as the privately-owned car
岩﨑 洋
1
Yo Iwasaki
1
1国立障害者リハビリテーションセンター病院
1National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities
キーワード:
福祉車両
,
脊髄損傷者
,
自動車運転
,
改造
Keyword:
福祉車両
,
脊髄損傷者
,
自動車運転
,
改造
pp.721-730
発行日 2018年8月10日
Published Date 2018/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201385
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はじめに
今,この論文をお読みになられている方は脊髄損傷者の車椅子使用者が自動車運転(以下,運転)をする事実は疑わないであろう.しかし,さかのぼること60年前は,自動車を運転すること自体,考えられなかったことである.歴史をひも解いてみると,1959年に厚生省社会局厚生課が警察庁保安局交通課に依頼して,障害者の自動車運転免許取得の検討を依頼していた.数回の検討会の結果,1960年の道路交通法の施行により,免許取得が開かれた.そして,1961年,当センターでは寄贈された東洋工業のR360クーペで入所者のクラブ活動の一環として「自動車操作訓練」が始まった.その後1974年,九州の農協共済別府リハビリテーションセンター,1978年,兵庫県立総合リハビリテーションセンターと続く.
このように障害者の自動車運転訓練,免許取得が当然となった.そして,自動車の進歩,特に安全装置の進歩,道路網の発達などによるモータリゼーションの著しい発展は,障害者の社会参加に寄与したと考える.本稿では身体障害者のうち脊髄損傷者において,自操型(市販車ベースに運転補助装置を後付け)で実際に行われている自動車への乗降,車椅子の搭載,実際の運転操作方法,さらに日本における福祉車両の普及状況,理学療法士(PT)からみた課題について述べる.
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