書評
道免和久 監修 竹林 崇 編「—行動変容を導く!—上肢機能回復アプローチ—脳卒中上肢麻痺に対する基本戦略」
藤原 俊之
1
1順天堂大学医学部リハビリテーション医学
pp.393
発行日 2018年4月10日
Published Date 2018/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201291
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“道免和久先生と竹林崇先生の本!”と聞いて,「これは読まずにはいられない」と思った.道免先生はわが国における神経科学に基づいた,いわゆるニューロリハビリテーションの第一人者であり,わが国にCI療法を導入し,普及させ,さらにその機序について神経科学的手法を導入することで明らかにした.竹林先生はその道免先生のもとで,作業療法士として上肢機能障害に対する治療を行うとともに,研究を重ねてきた.現在の日本を代表するリハビリテーション科医と作業療法士であり,研究者であるといえる.このお二人が監修,編集をされたのが本書である.
本書のコンセプトは従来からあるような治療法のマニュアル本とは異なり,「単に麻痺を回復させる治療法という二元論的理解を超えて,機能障害を課題指向的に改善させ,改善した機能障害を日常生活活動につなげる(転移させる)という新たなアプローチの考えかたである」と謳っている(「監修の序」より).
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