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書評 「ニューロリハビリテーション」—道免和久【編】
三上 靖夫
1
1京都府立医科大学病院・リハビリテーション医学
pp.58
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416200346
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脳の可塑性を生かしたリハビリテーションが目覚ましい進歩を遂げ,注目を集めている。基礎から順序立てて勉強したいと思っていたところ,脳科学分野のリハビリテーションを学ぶのに最適の書物が刊行された。編者の兵庫医科大学リハビリテーション医学教室主任教授である道免和久先生は,本年,教授就任10周年を迎えられた。道免先生にとって記念すべきこの年に,ご自身がライフワークとして取り組んでこられたニューロリハビリテーションのエッセンスを医学書院から上梓されたのである。
ニューロリハビリテーションというワードが講演や論文で広く用いられているが,コンセンサスを得た定義はまだない。本書の第1章の概論では「ニューロリハビリテーションとは,ニューロサイエンスとその関連した研究によって明らかになった脳の理論等の知見を,リハビリテーション医療に応用した概念,評価法,治療法,機器など」である「neuroscience based rehabilitation」と明確に定義されている(3,4頁)。本書には,ニューロリハビリテーションの基礎から先端の治療法に至るまで網羅されている。
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