書評
―道免和久(編集)―「脳卒中機能評価・予後予測マニュアル」
市橋 則明
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1京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻臨床バイオメカニクス研究室
pp.48
発行日 2014年1月15日
Published Date 2014/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106522
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理学療法や作業療法では,「評価に始まり評価に終わる」とよく耳にするが,この評価結果を数値化し,蓄積できていないことが,科学的データに基づくエビデンスを示しにくくしている大きな原因である.医学会では,過去のカルテの血液データや画像データなどを後方視的に分析し,ある治療効果の有無や予後を検討しているような研究も多いが,理学療法や作業療法分野ではほとんどない.エビデンスの確立や正確な予後予測のためには,国際的に共有できる,信頼性や妥当性の高い機能評価を日々の臨床のなかで行っていくことが不可欠である.
理学療法や作業療法評価におけるゴール設定の重要性は誰もが認めるところであるが,理学療法士や作業療法士は何を根拠にゴール設定をしているのであろうか? 自分が評価した結果から患者のゴールを導き出すためには,必ず予後予測を行う必要があるが,多くの場合は過去の経験からのみゴールを設定し,そのゴールが正しかったかどうか(治療が正しかったのかどうか)の吟味さえされない.これでは理学療法や作業療法の発展など考えられない.
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